2019.09.19

【水戸の歴史 其の弐拾】偕楽園と好文亭

水戸の梅まつりパンフレット より出典

水戸の梅まつりは、毎年2月中旬より偕楽園で開催されます。

梅が咲き乱れる「偕楽園駅」側からご入園される方が多いと思いますが、今年はぜひ「表門」からご入園いただき、斉昭公が表現した陰陽思想を体感してみてはいかがでしょうか?

期間中のイベント等の情報は、以下のページでご確認ください。 

一般社団法人 水戸コンベンション協会HP

茨城県公式観光情報サイト 観光いばらきHP


開園当時の偕楽園は、今の常磐神社の境内と南側の桜山・緑ヶ岡・丸山あたりまでを含み、147,000㎡(東京ドーム約3個分)ほどもありました。現在は約110,000㎡ほどになっています。

梅樹の株数も当時は7,000株とも10,000株とも言われ、200品種余の珍種・銘木が花を競ったといいます。

今日では数もかなり減ってしまいましたが、約3,000株 60~70品種の梅樹が花を咲かせています。

偕楽園から眺める景色は、桜山・緑ヶ岡方面の山並み、眼下には清流と湿地帯、そして千波湖を含めて一大景観を成し、自然と調和した雄大な借景的風致を形成しています。

偕楽園は、園の北西にあたる茅葺屋根の「表門」(黒門)から入るのが本来は正しい道筋になります。

「一の木戸」をくぐり、うっそうとした大杉森と孟宗竹林の間を通り、樹齢700年の巨大な太郎杉と吐玉泉を経て、さらに大杉森と熊笹の叢を通ると、茅葺屋根の「中門」に至ります。

右手に好文亭、「芝前門」をくぐると、左手に梅林、右前方に一面に開けた見晴らし広場にたどり着きます。

偕楽園の作庭の構成は、幽暗な場所から入り、心を静めて歩を進めると、一転して広く明るい場所に至るという趣向が施されています。暗から明という基本的な構成は、陰陽五行の思想に基づいたもので、斉昭はこの造園構成から陰陽思想を具体的に表現しました。

偕楽園の中心には好文亭が建てられています。外観は二階建てに見えますが内部は三階構造になっている木造こけら葺の建物です。

偕楽園の庭園や好文亭では詩歌、茶の湯の会合などが行われましたが、天保13(1842)年9月25日挙行された養老の会は、最も盛大なものであったとのことです。

安見隆雄・著『水戸斉昭の「偕楽園記」碑文』参照

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