2022.05.06

◆髙橋ドクターのちょっと豆知識◆第2回~入浴でできる熱中症予防~

 髙橋ドクターのちょっと豆知識は、医学的な見地から高齢者の身体状況や疾病などをご説明いただきます。

医学的な理解を深め、日々の高齢者ケアにぜひお役立てください!

医療法人千甫会 髙橋外科医院 院長
髙橋 亨 先生
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まもなく本格的な夏が到来します。夏日(気温25度以上)という表現では止まらず、真夏日(気温30度以上)、猛暑

日(35度以上)と続きますが、さらにもう一つ上の表現が必要な程に日本の夏も変わりました。「暑い日の熱中症

対策」は世の中にだいぶ広まりましたが、救急搬送される方が減らないのも現状です。

 

入浴でできる熱中症を予防する体づくり

 

熱中症予防に入浴は、残念ながら直接のつながりはありませんが、熱中症を予防する体作り

は期待ができます。熱中症にならないためには「汗」をかいて体温を下げることが重要です。そのため寒い冬か

にむけて徐々に、暑さに慣れるために汗をかきやすい体へと変えていかなくてはなりません。ところが最近の日本

は、春を飛びえて暑さがいきなり到来することもあったりと、準備や慣れなどと言っている場合ではありません。

 

ですが、毎日お風呂につかって体温を上げ、容易に汗のかける身体になっていれば体温

を下げる能力も上がり、結して熱中症の予防対策になるといえます。そういわれてみれば、お風呂が大好きとい

う方は、代謝や血色もよく、元気な方が多いというのもわかります。また、元気な方でも熱中症になる要因として、

過労と睡眠不足があります。入浴は睡眠にも作用しますから、副交感神経を優位に働かせる微温湯につかることで、

快適な入眠に繋げましょう。

 

 

気を付けたい高齢者の熱中症

特にご高齢になると、室内でも熱中症にかかりやすくなりますのでご注意をお願いします。高齢の方は、温度に対

る感覚が弱くなり、体温の調節機能が落ちてくるため暑さを自覚しにくく、熱を逃がす体の反応や暑さ対策の行

が遅れがちです。体の発汗具合や腋窩の湿りなどで確認するか、気温・湿度計を活用し、生活環境の危険度を常

確認しましょう。室内でも、高温多湿・無風の環境は熱中症の危険が高まります。冷房や扇風機、除湿機などを

用し、風通しの良い環境をつくりましょう。

高齢の方は、加齢により体内水分保有量の減少に加え、体が脱水を察知し

にくいため、水分補給が遅れがちです。入浴前後の十分な水分補給は当然ですが、普段からのどが渇く前に定期

的な水分補給を心掛けましょう。

 

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在宅において、自力で入浴が困難な方を介助し入浴の機会を提供するものです。

入浴車により訪問し、簡易浴槽を居宅に持ち込み、入浴介護に従事する専門スタッフ3名以上がその

サービス実施にあたります。そのうちの1名以上が看護職員であり、入浴サービスの前後にご利用者

の健康観察を行う安全で快適なサービスです。

★入浴車による訪問入浴介護サービスは、介護保険制度における在宅サービスの一つです。

 

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