2022.01.18

◆髙橋ドクターのちょっと豆知識◆第1回~寝たきりになるということ~

髙橋ドクターのちょっと豆知識は、医学的な見地から高齢者の身体状況や疾病などをご説明いただきます。

医学的な理解を深め、日々の高齢者ケアにぜひお役立てください!

医療法人千甫会 髙橋外科医院 院長
髙橋 亨 先生
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寝たきりになるということ

訪問入浴介護を利用される方の中には、一日のほとんどをベッドで過ごされている方もいるかと思います。いわゆる
「寝たきり」と呼ばれる状態ですが、医学的には「廃用症候群」と呼び、長期間の安静状態や運動量の減少によって
身体機能が衰え、心身の様々な機能が低下してしまうことを指します。その主な原因は、脳卒中や認知症、骨折・転
倒・老衰などです。寝ている状態が長く続くことや、後遺症が残って思うように動けなくなることで、筋力や骨量
低下してしまい、結果としてさらに寝た状態が継続してしまいます。

 

寝たきりになることの悪影響

 

筋肉は使わないと萎縮していき、関節は動かさないとみるみる固くなり可動範囲が狭くなってしまいます。これを

「関節拘縮」といいます。関節が固くなり可動域が狭くなると、筋肉をさらに使わなくなりますので、筋肉はさらに

萎縮し、関節もさらに動かなくなるという悪循環に陥ります。

肺は、寝ている状態だと内臓に圧迫されて、広がる範囲が狭くなるので肺活量が小さくなります。骨は重力による刺

激や、立ったり歩いたりすることで体重の重みで鍛えられ、強度を維持しようとしますが、寝たきりになると骨への

刺激も少なくなりますので骨量はどんどん低下していきます。

本来は、寝たきりの状態を抜け出すために、早期のリハビリテーションが鍵となりますが、関節拘縮が進行している

場合には、これ以上の拘縮を防ぎつつ、寝たきりに伴う合併症を予防することを考えましょう。

 

 

 

拘縮の進行を抑えるには可動域訓練として、無理をせずに動かせる範囲を維持するためのストレッチがよいでしょう。

ご自身関節を動かない方には、医師達とも相談し、入浴の際に温めながら、可域範囲内でストレッチを行うだけ

でも効果的です。温めると、患部の血流がよくなり拘縮した靭帯や腱なども柔らかくなりストレッチ効果が上がります。

合併症予防では栄養管理、褥瘡予防、誤嚥性肺炎の予防のための口腔ケアなど、対応すべきこ多岐にわたりますの

で、関係する医師や看護師、介護スタッフ達と連携してケアに努めましょう。

 

➡◆髙橋ドクターのちょっと豆知識◆第2回~入浴でできる熱中症予防~のページへ

 

 

 

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●訪問入浴介護サービスとは
在宅において、自力で入浴が困難な方を介助し入浴の機会を提供するものです。

入浴車により訪問し、簡易浴槽を居宅に持ち込み、入浴介護に従事する専門スタッフ3名以上がその

サービス実施にあたります。そのうちの1名以上が看護職員であり、入浴サービスの前後にご利用者

の健康観察を行う安全で快適なサービスです。

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