【実践事例特集】では、デベロ老人福祉研究所がこれまでの研修活動で発表された事例等を基に、改めて
訪問入浴介護と照らし合わせてご紹介します。

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2010年(平成22年)11月28日(土)に開催しました第45回全国入浴福祉研修会の基調講演におきまして、「そ
の人らしい[生]の全うをサポートするには~在宅療養を支援する医師から見た訪問入浴介護 [地域在宅ケア時代]の
なかで大きな役割認識を~と題し、日本プライマリ・ケア学会副会長 石橋クリニック院長、石橋 幸滋医師にご登
壇いただきました。今回はご講演内容より一部抜粋しご紹介させていただきます。
☆在宅ケアの基本的心構え☆
在宅ケアを考える場合、その家族の歴史と一人ひとりの生きざまを考慮する必要があります。要介護者を取り巻く家族関係が、それまでギクシャクしてきて摩擦ばかりだったりすると、同居している家族に介護意欲が生まれない傾向があり、介護知識を身につけようとの気持ちも沸いてこないでしょう。そうした家族は施設志向があり、介護の知識もないため不適切な対応を平気で行う、サービスを積極的に利用しようとしない、といった傾向があり、場合によっては、介護疲れで虐待に至ること珍しくありません。そのため、在宅ケアに関わる方は、本人と家族の要望と真意をしっかりと確認してゆく必要があるのです。在宅療養者を医師の立場で訪問していますと、健康上のさまざまな課題に突き当たります。厄介な皮膚疾患ですと、やはり皮膚科の専門医に診察を治療をお願いしなければなりませんし、入れ歯の噛み合わせ不良や嚥下障害があるなら、歯科医師に来てもらう必要が出てきます。関節疾患なら整形外科医の訪問が欠かせません。理学療法士の指導を受けると、もう少しは良くなるのだが、といった場合は訪問リハビリを依頼した方がいいでしょう。このほか、フットケアが必要な方など、さまざまなニーズが内在しています。ちなみに私は、リハビリテーション分野に訪問入浴サービスを位置づけると、もっと目的が明確になるのでは、とも考えています。入浴をしますと、身体が柔らかくなり、意欲も出てきますので、リハビリテーションの側面からも大きな利点があるのです。在宅療養者には、医療や看護、介護やリハビリ、歯の健康などや栄養指導、などさまざまな専門職が関わることで成立するわけですが、それぞれの専門職がチームケアのなかでの役割を認識しながら、当人とコミュニケーションをしながら生き甲斐も引き出し、「幸せな人生だった」と感じていただくことが究極の目的ではないでしょうか。そのためにも、在宅療養者の情報をしっかりと把握し、地域のケアチームのなかでの訪問入浴サービスの役割を認識しながら業務を行ってゆくことが期待されていると思います。☆訪問入浴介護の役割とは☆ 最後に、私が在宅医療に携わってきたなかで感じてきた訪問入浴サービスの役割を整理して述べておきます。 ①利用者一人ひとりの生き方でもある生活の質を高める ➁入浴して気持ちが良かった、というだけでなく、もっと奥深い満足度を上げる ➂精神的な安定をサポートする ➃家族負担を減らす ➄感染症を予防する ➅全身状態を確認できる利点をチームケアにつなげる ⑦利用者の生きる意欲を高める ⑧地域ケアチームの一員として、関係する会議に積極的に参加して、入浴の利点も訴える ⑨利用者の情報をしっかりと集めて把握する ⑩リハビリテーション的な効果を高め、そうした利点を地域の専門家にも発信する ⑪安全性を確保し、困難なケースにも対応できる技術力を高める ⑫ケアチームの一員としての自覚を深める ⑬利用者を総合的にケアしてゆくチームの一員としての責務を自覚する などです。 ぜひ、訪問入浴介護に従事されている皆さまには、医療関係者とも連携を深めながら、地域ケアチームのなかに飛び込んでゆき、存在感を示すことを期待しています。
※出典:入浴福祉研究第43号(2010年(平成22年)4月30日発行 編集・発行所:デベロ老人福祉研究所/日本入浴福祉研究会事務局
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ここでは、2020年に、24時間365日対応の在宅療養支援診療所を開設された杉山昂医師の著書「在宅医療の職分」
より内容をそのまま引用してご紹介させていただきます。
杉山医師は1989年静岡県で生まれ、早稲田大学を中退し医師を目指すため、鳥取大学医学部医学科に入学されます。
卒業後は精神科医として総合病院に勤務されますが、そこで高齢者医療の現状(病院における治療が終わり退院した
にもかかわらず、自宅で満足に暮らせるどころか病気を再発し病院に戻る再入院率の高さ)に危機感を抱き、自宅で
安心して暮らしていける医療の必要性を実感、診療所を開設され3年後には患者数が累計で650人を超えようとして
おり、在宅医療のニーズの高さを感じておられます。(著書「在宅医療の職分」杉山昂著/2023年幻冬舎より)
第二章 これからの高齢者医療は在宅医療が担っていく 在宅医は超高齢社会に突入した日本の救世主❖医療を必要とする高齢者の受け皿に 病院における慢性的な人手不足や機能別再編に伴う別途数削減、外来でのADL低下や診療科別体制による通院負担増といった問題は、日本における病院や通院医療の限界のあらわれといえます。特に急性期治療を終えた高齢患者が、回復期、慢性期に必要とする医療の提供と、終末期を迎える場所としての病院の機能は、国の医療費削減の方向性を鑑みても、今後も縮小の方針が変わることはないといえます。そこで、高齢者を取り巻く深刻な問題を解決する方策の一つとして注目されているのが、病院やクリニックなどの医療機関への通院が困難な患者に対し、自宅や施設で必要な医療やケアを提供する在宅医療です。これまで通院を前提とする外来と病院が担ってきた、終末期医療やケアの新たな受け皿となり得る医療の形です。具体的には以下のような医療やケアが含まれます。[図3]在宅医療が担う医療・ケア |
皆様におかれましても、自分たちの「地域の特性」を理解して事業の効率化を図ると共に、訪問入浴介護サービスの
力を最大限発揮していただきたく存じます。訪問入浴介護は在宅での看取りに関しても、その役割が期待されていま
す。参考として令和6年度より新設されました「看取り連携体制加算」について掲載しますのでご活用ください。
| 令和6年度介護報酬改定 訪問入浴介護における看取り対応体制の評価 |
【告示改正】
訪問入浴介護における看取り期の利用者へのサービス提供について、その対応や医師・訪問看護師等の多職種との連携体制を推進する観点から、事業所の看取り対応体制の整備を評価する新たな加算を設ける。
【単位数】 <現行> <改定後> なし ▶ 看取り連携体制加算64単位/回(新設) ※死亡日及び死亡日以前30日以下に限る。
【算定要件等】 〇利用基準 イ 医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること。 ロ 看取り期における対応方針に基づき、利用者の状態又は家族の求めに応じ、介護職員、看護職員等から介護記 録等利用者に関する記録を活用し行われるサービスについての説明を受け、同意した上でサービスを受けている者 (その家族等が説明を受け、同意した上でサービスを受けている者を含む。)であること。 〇事業所基準 イ 病院、診療所又は訪問看護ステーション(以下「訪問看護ステーション」という。)との連携により、利用者 の状態等に応じた対応ができる連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて当該訪問看護ステーション等により訪問看 護等が提供されるよう訪問入浴介護を行う日時を当該訪問入浴ステーション等と調整していること。 ロ 看取り期における対応方針を定め、利用開始の際に、利用者又はその家族に対して、当該対応方針の内容を説 明し、同意を得ていること。 ハ 看取りに関する職員研修を行っていること。
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訪問入浴介護のサービス時には、事前にバイタルチェックを行います。以下にバイタルサイン測定時の注意点を掲載
しますので、お役立てください。

出典;老年看護ぜんぶガイド 八島 妙子著(株)照林社 (P.112より引用)
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タイトルの下のタグ【実践事例特集】をクリックすると過去の記事の一覧がご覧いただけます。
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訪問入浴介護は、3人(看護師、オペレーター、ヘルパー)1組で入浴介護を行うチームケアです。お互いの職種を
把握することはもちろん、性格や考え方を理解することは生産性とサービスの質の向上のために大変重要です。

▼訪問入浴サービスご案内(動画)

『入浴』と『看護・介護』の力の集結!!訪問入浴介護サービスの力
訪問入浴介護のサービス提供時には、入浴介助に伴って様々な『付帯的なサービス』が行われています。
全身観察身体の状況を確認する最大の機会看護師を中心に褥瘡等の早期発見・予防など、あらゆる観点から確認します。
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生活支援の側面寝具等ベッド環境の整備離床する際に、シーツ、枕カバーなどの交換が行えます。不衛生になりがちなベッド周りも清掃して、環境を整えることができます。
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身体介護の側面ご家族へのアドバイス寝たきりである利用者への清潔な下着や着衣の交換はもちろんのこと、「スキンケア」や「体位の交換」といったご家族への適切なアドバイスも。
入浴中は温熱作用、浮力・粘性作用により関節も動きやすくなりますので、状況によりマッサージなどを行う場合もあります。
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全身の整容と向き合う入浴で清潔の保持はもちろんですが、洗顔、ひげそり(電気シェーバーにて)や爪切り(疾患のない爪)など、全身の整容を考えてサービスが実施されます。
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移動入浴車デベロバスカは今日も全国の各地域で活躍しています!







