2022.05.20

移動入浴車誕生と入浴福祉研究の歩み▶シリーズ第1回

移動入浴車誕生と入浴福祉研究の歩みでは、1972年の移動入浴車誕生からデベロが歩み続けた入浴福祉研究の歴史をご紹介いたします。

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1972年(昭和47年)移動入浴車デベロバスカ第1号誕生 茨城県水戸市に納車

1972年(昭和47年)。当時の水戸市長である木村伝兵衛市長から、「水戸市内の寝たきりの高齢者に入浴させ

が良いアイデアはないか。実は宇都宮の”バスバス(※バスの中で入浴する)”を見てきたが、あれば大型で水戸

では使えない、もっと小型で安く来ないか。」と、親しい友人の一人として立井宗久(デベロ創業社長)が相

けたのがきっかけとなった。

介護を必要とする寝たきりの高齢者の入浴「死ぬまでに一度でいいからお風呂に入りさっぱりしたい」その願いを

叶えることもさることながら、暗くなった家庭にかつてあった団らんを呼び戻す一つの手段として活用されること

を願い、移動入浴車「デベロバスカ」の開発に着手となる。

 

▼移動入浴車デベロバスカ第1 1972年(昭和47年)6月に水戸市に納車

 

当時デベロでは、寝たきりの高齢者が入浴出来ない現実を解決すべく浴槽の開発をしており、持ち運びができ自宅

寝室で寝たままの姿で入浴可能な洗髪槽つき洋式浴槽が完成していた。これを自動車に積載出来れば要望に応じ

られる。しかし浴槽を自動車に固定したのでは”バスバス”と同じ大型になる。そこで発送を変えて高齢者を連れて

きて入浴させるのでなく、浴槽が高齢者の枕元まで来ることになれば車内の設備は小型化可能と決定した。

 

▼移動入浴車での入浴風景

 

車両に特殊浴槽「デベロリハビーバス」を積載し寝たきりの高齢者宅を訪問、車の中でお湯を沸かし、対象者の枕

元に設置した浴槽に、車両からホースでお湯を供給し、入浴を楽しんでもらうシステムである。水戸市に採用とな

り運営が開始されると、「画期的な開発」と各地から見学者が相次いだ。寝たきりの高齢者の入浴を自宅で可能に

「巡回入浴」の実用化が成功した。”バスバス”の浴槽固定式から、バスカーの浴槽移動式に移行した発想の転

ら、入浴が福祉と結合する新時代の始まりとなった。

 

資料:「デベロ創業社長回顧録(入浴福祉普及運動とデベロ立井 」、「デベロ創立30周年記念誌あゆみ」