2019.03.29

アドバンスケアプランニングとQOD(Quality of Death)について

 アドバンスケアプランニング(ACP)とは?

意思決定支援の一環で、患者の意思決定能力の低下に備えて、今後の治療、療養について話し合うこと。現在の病状と今後の見通しを伝えて、患者の治療やケアに対する意向、死生観や希望について聞き、意思が尊重される安心をえてもらえるようケアすること。

 

アドバンスケアプランニングの愛称が「人生会議」に決定

ACPの普及啓発、認知度の向上を図るために公募の中から決定しました。また、11月30日(いい看取り・看取られ)を人生会議の日とし、人生の最終段階における医療・介護を考える日となりました。

 

Lynnの「死に至るプロセスの3つのパターン」

 終末期ケアへの対応を検討し,患者と家族に説明するうえで、いつから改善の見込みがない「回復不能」の「終末期」の状態とするか、治療に対する患者の意思を確認できるかの判断が求められます。

 

 第1 のタイプは,典型的にはがんの場合であり,亡くなる数週間前までは生活は自立していて,自分で食事もでき,トイレに行くこともできるし,頭もはっきりしている。それが死亡の2 週間ぐらい前に急激に落ちるので,この時点から「終末期」と規定できる。改善の見込みがないことも明らかであるゆえ,その時点までに患者の意思も確認しやすい。
 第2 は,徐々に低下しながら死亡する心・肺・肝・腎などの慢性疾患の場合で,今回が最後の入院となるかどうかは入院時点では分らないので,終末期の規定は難しい。
 第3 は,長期にわたり徐々に低下する老衰や認知症等のパターンで,いつから「終末期」であるかは病気が年単位で進行するので分からず,肺炎を併発すれば,肺炎という状態については「改善」できるが、認知症等の「回復」はできない。意思の表示は早期の段階に限られ、進行すれば家族が推定しなければならない。しかし、たとえば誤嚥性肺炎になった場合に,治療を経口の服薬,注射,点滴のいずれに留めるか、あるいは再発を予防するために胃瘻を作るべきかを決めることは難しいので、「事前指示」が特に重要になり、アメリカではアルツハイマー病の場合は早期に作成することが推奨されている。